無料ブログはココログ
2014年8月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 勇魚獲りの歌 | トップページ | 「われわれも悔しい」「安心して漁ができない」 »

2010年9月22日 (水)

番外4・尖閣諸島を失えば日本の貿易は壊滅状態に

SS以上に重大問題なのでアップしておきます。

****************

jbpress.ismedia.jp/articles/-/4498

中国に脅かされる日本のシーレーン

―もしも尖閣諸島を失えば日本の貿易は壊滅状態に―

ジャパン・ビジネス・プレス2010.09.22(Wed)
 泉 徹 

中国人民解放軍(PLA)の強化は毎年2ケタの伸びに示されるように、衰えを知らない。特に海軍力の強化は、目覚ましいものがある。

中国が海軍を増強しているのは尖閣諸島奪取のため

尖閣諸島で起きた中国トロール船による海上保安庁の巡視船への妨害活動で、船長の逮捕を非難するデモが中国各地で発生した〔AFPBB News〕
 米国の「全米アジア研究部会」では、中国軍がグローバルな作戦を可能にする近代化を進める一方で、日本に対しては尖閣諸島の領有権主張のために海軍力を強化し続けるという分析もなされている*1。

 我が国は、地政学的に見れば、南北に長く縦深性のない国で、国民の大多数が都市に集中し、自給自足が困難な四面海に囲まれた島国である。

 従って、好むと好まざるにかかわらず、自由貿易を主体とする海洋依存国家にほかならない。 

 現在、海運による自由貿易によって繁栄を極めている我が国であるが、そういった意味で経済活動を含めた国家の生存が海洋の自由利用にかかっていると言っても過言ではない。

 それは、原材料を輸入し高付加価値にして輸出する経済活動のスタイルも、大きく変わり得る要素はここ当分考えられないからだ。

 こういった状況下、日本の貿易の99.7%が船舶による海上輸送であることを思えば、現在の海運政策が極めて不十分であることを、多くの国民に知ってもらうことは意義があると考え、以下、我が国の海運から紹介したい。

1. 我が国の海運の現状

 外航海運は、我が国の経済および国民生活を支える、まさにライフラインとして極めて重要である。しかし、この海上輸送の基盤を支える日本籍船および日本人船員の状況は惨憺たる状況にある。

 まず、日本籍船については次ページ表1に示す通りである。1980年代、我が国の商船隊*2は約2500隻、総排水量1億1500万トンであり、日本国籍の商船は実に約1200隻であった。

 それが昭和60(1985)年のプラザ合意後の急激な円高によるコスト競争力の喪失から年々数が減り、2008年における日本籍船は98隻しかなくなった。

 これも一部の努力により98隻となっているが、2007年には実は92隻まで減少していた。現在でも約2600隻以上の商船が我が国の外航海運に従事しているものの、その1割にも満たないのである。

*1=米国の陸軍大学が民間の研究機関「全米アジア研究部会」と実施した研究セミナー2010年7月13日

*2=日本国商船隊の呼称は、国土交通省海事局も使用している
 つまり、我が国の管轄権が及ぶ商船は98隻しかないことを示している。現在、アフリカ・ソマリア沖において、海上自衛隊が2隻の護衛艦と2機の対潜哨戒機「P-3C」により、海賊対処法に基づき商船の護衛を実施している。

自国の商船でなければ警察権も及ばない

千葉県の下総基地上空を飛ぶ対潜哨戒機「P3-C」(ウィキペディアより) 法律により、他国の商船もその護衛の範囲内とされ、多くの国々から感謝されその成果も著しい。

 しかし、あくまで護衛は各国の商船の要望により護衛を実施しているわけで、我が国に関係する重要な商船(便宜置籍船も含まれる)でさえ我が国のコントロールによるものではない。

 いや、コントロールできないのである。また、護衛中、他国の商船内において日本人に関係する事件が起きても、我が国の警察権は及ばない。

 ご記憶の方もいると思うが、今から8年前の平成14(2002)年、パナマ船籍の商船内で日本人の航海士がフィリピン人船員に殺される事件*3が起きた。この際にも外務省を通じパナマ共和国と交渉し、やっと我が国の捜査が及んだのは、事件が発生してから1年後だった。

 昨(2009)年6月19日、「海賊行為の処罰および海賊行為への対処に関する法律」(海賊対処法)が制定され、海上自衛隊が護衛任務についている。

海賊以外の紛争は適用除外される
 その保護対象船舶は(1)日本籍船(2)日本人が乗船する外国籍船(3)日本の船舶運航事業者が運航する外国籍船または日本の積み荷を輸送する外国籍船であって我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶*4とされている。

 この法律の制定は、海運を維持・保護する上で極めて重要な進歩である。しかしながら、これは、あくまで海賊対処に関する法律であり、それ以外の事変・紛争等では日本籍の商船に対してのみ該当し、それ以外に対する法整備も進んでいない。

*3=平成14(2002)年11月14日(共同通信)14年の4月に起きた事件。超党派で日本の刑法適用を可能にする特別措置法案をまとめ国会に提出。しかし、刑法改正後も、海外で日本人が巻き込まれた事件は原則として当事国の司法当局が担当する。また、外国船内や当事国が捜査に着手していない重大な事件に関して行う場合も、日本の司法当局が当事国の了解を得たうえでないと捜査はできない

*4=第171国会衆議院海賊対処特別委員会議事録第4号(p.26)(平21.4.17)

 それでは、我が国の外航船員についてはどうだろうか。表2は日本人外航船員の推移である。日本籍船の数が減少している状況と同様に、外航船員に占める日本人の割合も大きく減少している。

外航船員はピークの20分の1に激減した
 1974(昭和49)年には約5万7000人いた外航船員も、今では2600人あまりで往時の20分の1以下である。

 かって多くのご同輩は、マドロス姿の小林旭主人公の映画を見て格好良いと思い、外航船に乗って外国に行くことを夢見たものである。

 しかし現在では、船乗りになる希望者がいたとしても外航船員を育てる教育機関は減少し、商船大学なるものは既に存在しない。

 さらに、現在の外航船員の年齢構成は、45歳以上中高年の占める割合が約54%であり、55歳以上の占める割合は10年前から2倍以上の約28%となっている。つまりベテランの外航船員も定年間近なのである。

 近年、科学技術も発達し船員の技能もさほど必要でないと思われる方がいるかもしれないが、いまだ大自然を相手にする大海原では、経験が大きくものを言う。

技術が発展しても人間に頼らなければならない部分は圧倒的に多い
 夜間の視界内の商船や漁船などの動きやその動静の把握、あるいは霧や大雨の狭視界においてのレーダーによる目標の把握、水平線上に昇る米粒にしか見えない竜巻などの自然現象の動き、洋上に流れている流木の確認など、経験が極めて重要である。

 そして、こういった経験を伝える場は同じ海の上が最も適している。もちろん、書き物により伝え、机上で口伝えにより伝えることもできるが、同じ環境条件の洋上にいて同じ経験をしつつ実際に見て判断につなげていく感覚的な伝承は洋上でしかできない。

 話が横道にそれたが、そういった素晴らしい技能や感覚の持ち主である日本人外航船員の姿が消えていくのである。

 日本人外航船員は現在、約2600人であるが、全日本海員組合加盟のフィリピン人は約2万8000人いる。つまり、我が国の海運を支えているのは多くのフィリピン人の方々である。

日本郵船など多くの船会社はこれら外国籍船員と労使契約を結んでいるが、その中には、「軍事行動区域には赴かず、下船して会社負担で送還される権利」が明記されている。

日本のシーレーンが万が一紛争地域になれば船の運航は不可能に
 当然と言えば当然のことで、他国の商船において他国で負傷するなど、死ぬ目に遭ったのではたまったものではない。

 すなわち、我が国周辺における紛争など危急の際には、多くの外国船員の方々は従事する必要はなく、我が国に関係する海運がストップすることも考えられる。

 1980年代のイラン・イラク紛争の時、イラン機の攻撃により労務提供船アル・マナクが被弾し日本人船員2人の方が犠牲となった。それでも当時、延べ6万人と言われている多くの日本人船員が石油輸送を担い、我が国民の生活と経済活動を支えたのである。

 しかし、その後、三光汽船の倒産を皮切りに日本船主協会が外航船員1万人は過剰であるとし、日本人外航船員の姿が消えていくのである。

2. 諸外国の海運に対する取り組み

我が国の海運の現状は目を覆うばかりであるが、それでは諸外国はどうであろうか。いわゆる人件費の高騰により、喘いでいるのは日本ばかりではない。韓国においても同様の状況であり、英国、ドイツでも同様である。

 しかし諸外国、特に海運に依存している上述の各国は、政策により必要最小限の海運のツールは維持している。

 ドイツは自国船員の訓練費などに年間約6億円の補助を与え、船員の育成に努力している。そして英国では海外で半年間過ごした自国船員の所得税を全額免除し、船員がすべて外国人でも自国船と認める1国2制度制を取り入れている。

 この1国2制度制は、ノルウェー、フランスも同様に取り入れ、自国船籍を呼び戻すことに効果を上げている。
日本も1996年から、船長と機関長さえ日本人ならば他の船員がすべて外国人であっても日本籍船と認める「国際船舶制度」を導入したが、もはや船長も機関長も外国人で占められている状況において、効果を上げるまでに至っていない。

迅速に法律を整備してきた韓国
 お隣の韓国の外航船員の状況は日本と同様であるが、各種方策を迅速に決定し国の政策に反映している。

 まず、韓国を有数の海運国家に育成するため、韓国トン税制度を2005年1月に取り入れ、営業利益が出ている時には節税効果が出る仕組みとし、海運会社の利益を導き出している*5。

 また、船舶の韓国籍登録を活性化するため、済州島内の開港を船舶登録特区に指定し、船舶の取得税、漁村特別税、地方教育税、財産税、共同施設税が免除されている*6。

 さらに、穀物や原油、石炭などを運ぶ韓国籍船30隻を「国家必須船」に指定し、韓国人の船員を増やすことを条件にして、政府が海運会社に船員コストの差額を補助しているのである。

 指定を受けた船舶は、バルク船(糧穀運搬船、鋼炭船)10隻、油槽船6隻、液化天然ガス(LNG)船11隻、コンテナ船3隻である。

米国は75%以上の自国籍船員を義務づけ
 もちろん、この30隻のみで現在の韓国国家経済を賄うことはできないだろうが、少なくとも非常時における考え方を平時から国民に示し、不十分ながらも対応策は整えている。

 また、これらにより、必要最小限以下であろうが必要な物資の輸入も自国で賄い、かつ外航船員養成の道も確保している。

 さらに付言すれば、あの米国でさえ、自国船籍の米国人船員の割合を75%以下にしてはならない、自国船籍の修繕においては他国で製造した鉄を10%以上使用してはならないなど、事細かく規定し海運を維持運営している。

*5=済州島国際自由都市特別法(2002年4月施行)

*6=国家必須国際船舶の指定(韓国国際船舶登録法第8条)(2006年4月施行)。

指定を受ける船舶の条件は、(1)総トン数2万トン以上で船齢15年以下、(2)国民経済、国家保安に重大な影響を及ぼす物資を輸送する船舶とし、必須船の指定を受けた船舶は韓国人船員だけを乗船させ、外国船員との経費格差は政府が補填するとしている。

3. 我が国周辺海域の不安感

尖閣諸島で海上保安庁が拿捕した中国のトロール船〔AFPBB News〕
 これまで述べたように、我が国周辺海域において紛争や不穏な状況が生起すれば、外国籍船員は我が国の海上輸送に携わる必要はない。

 現在、我が国の東シナ海の現状は、中国の大陸棚や尖閣諸島へのアクセスなど、今後10年間における我が国とのいざこざの不安感は拭い切れていない。

 1992年の中国の領海法制定以来、東シナ海を中国の内海とし、それまで全く触れていなかった尖閣諸島を自国の領土と明記したのである。

 それは、あたかも南シナ海における南沙諸島を領土化した同じ方法をたどっている。もし、この東シナ海で、将来、領土、領海を巡る紛争が起こった場合、我が国への海運への影響は大きく、経済活動のみならず、自国民の生存も危ぶまれる危険性をはらんでいる。

 今月発生した尖閣諸島での中国トロール船による海上保安庁の巡視船への衝突事件は、まさにそうした危険を示す格好の材料と言えるだろう。

 もし紛争が発生すれば、海上護衛戦を軽視した結果、物資が日本に入ってこなくなった先の太平洋戦争を彷彿させられる。

 しかし、現在の海運崩壊の危険性は海上護衛戦を軽視したことではなく、今度は、海洋に生きるしかない我が国の海運というツールを軽視したことによるのである。

4. 終わりに

 現在、海上自衛隊は灼熱の中、ソマリア沖、アデン湾の海賊対処に立ち向かい、敢然と海上交通の安全確保の任に就いている。これは、海洋の自由利用と自由な交易を維持するための海上交通の安全確保が何よりも我が国には重要であり、我が国の生存がかかっている任務とも言えるのである。

 現在、海上護衛作戦も順調に推移し、海賊件数は増加している中、日本に関係する商船の被害は幸いにして生起していない。こういった努力により、日本船主協会の方々から感謝の言葉を頂き、海上自衛隊員の大きな支えになっている。

 しかし、先の太平洋戦争における6万人以上の戦没船員を出した全日本船員組合の不信感は根強く、我が国に関係する商船護衛への理解も乏しい。

 そして、先の大戦の国家総動員法に基づく「船員徴用令」を含むものが「有事法制」であるとし、有事法制の制定にも反対しており、有事における我が国の海運確保の問題をさらに複雑にしている*7。

 あるブログに、「日本はシーレーンを守るとは言っているが、守る対象がない。守る対象であるシーレーンを作ることから始めなければ、シーレーンを守ると言っても空言である」という書き込みがあった。 

 まさに、当を得ている提言ながら、この提言を日本国民は、自国のことと感じているのか心配になった。

 それは、多くの日本人と政治家や官僚が安全と空気は、この日本にはタダで無尽蔵にあると思い、いつでも手に入れることができると思っているからであろう。

 こう言った風潮は、自国民を救出することさえ自衛隊にやらせない国の中では当然のことかもしれないが、万が一の場合、そこに生きている国民はたまったものではない。

*7=全日本海員組合「船と海の船乗りのページ」平和な海を希求する活動、有事法制に反対p.6~7

+++++++++++++++

最新ニュース(有料版)より。

*************

日中対立の再燃(続)
2010年9月21日  田中 宇


-----------------------------------------------------------------


この記事は「日中対立の再燃」の続きです。

 尖閣諸島での海保と中国漁船との衝突事件を機に、日本と中国が敵対関係になっているが、今、日中が敵対しているのは、尖閣の問題だけではない。為替の問題でも、中国側が、日本国債など円建て資産をさかんに購入し、円高の一因を作っている。中国側は、今年に入って総額200億ドル(1兆7千億円)分の円建て資産を買った。これは、過去5年間に中国が買った円建て資産の合計の約5倍にあたる。(China's Yen for Japan's Currency)

 日本国債は国際市場で売られているので、中国政府は日本国債を自由に買えるが、中国の国債は自由市場で売られていないため、日本政府は中国国債を買って仕返しすることができない。日本政府は中国政府に、この件で話をしようと提案したが、尖閣の衝突が起きたので、話し合いは進んでいない。(Japan alarm over China's JGB purchases)

 円高傾向に対し、日銀は6年ぶりに公式な円売りドル買いの市場介入をやって、なんとか為替相場を円安の方向に引き戻した。だが投資家たちは、介入が長期的な効果を持つと予測せず、日銀が介入をやめたら再び円高がぶり返すとの予測だ。1ドル80円を超え、史上最高値を更新する円高になりうる。(China's shadow looms over yen)

 中国側(政府と政府系企業)は日本国債だけでなく、韓国国債など韓国ウォン建ての資産も増やしている。中国は、米国債を買う代わりに日韓の国債を買い、ドルではなく円やウォンの資産を増やしている。これまで議会など米政界は、中国がドル買いによって人民元の対ドル為替を安すぎる水準に固定していると非難してきた。中国がドルの代わりに円やウォンを買うようになったのは、米国からの非難をかわすためでもある。(Yen Intervention, China and the U.S. Dollar)

▼満州事変的にはめられた?

 中国側が日本国債を買う主目的は、米国債やドルの崩壊感が強まっているため、米国債などドル建て資産を減らす一環として、日本国債や韓国国債を買っていると考えられる。今の日本はマスコミによる扇動の効果で「中国が悪い」と考える傾向が強いが、円高を演出して日本経済をつぶすのが中国の当初からの目的とは考えにくい。中国が日本を財政的につぶそうと突然巨額の日本国債を売却しても、日本国債の9割近くは事実上売却できない日本の機関投資家が持っており、大した効果はない。中国が米国債を大量売却する場合とは事情が全く異なる。

 だが、中国の円買いは日本側を困らせている。ここ数年、米欧日の通貨当局は、米欧日が連携して為替スワップなどで市場介入する場合には、こっそりやって「為替介入などしていない」と言うことになっていた。しかし日本当局は今回、欧米と連携せず、単独で為替介入をした。米国は「ドル安円高は貿易不均衡が改善されるので結構なこと」と思っているし、欧州は、ギリシャなどの財政危機の影響でユーロが低めだから為替介入の必要がない。単独で介入した日本に対し、米欧はルール違反だと批判し、日本は介入の事実を認めざるを得なくなった。

 日銀が6年ぶりの為替介入をしたことを認めたのは9月15日だっだか、この日はちょうど、米議会が中国が「為替操作」をしているかどうかについて2日間の議論を開始した日だった。米議会では「せっかく中国の為替操作を批判しようと思っていたのに、日本が勝手に為替介入して為替操作をやってしまったので、中国を批判できなくなってしまった」「中国の貿易黒字を減らしても、日本の貿易黒字が維持されるのでは意味がない」という日本批判が噴出した。(China's Get-Out-Of-Jail Card Vexes Geithner: William Pesek)

 昨今の円高は、中国が一因を作ったものなのに、その対策としてやむなく日本が為替介入すると、悪いのは日本だという話になってしまった。しかも、日本の為替介入は短期的な効果しかなく、いずれ円高がぶり返すのは必至だ。そして、人民元のドルペッグは今後も維持され、中国は元高に見舞われないだろう。日本が「はめられた」感じがする。

 中国単独では、ここまで日本をはめられない。米議会の主力は、軍事面では反中親日だが、経済面では反中反日である。そこに「台頭する中国に抗しきれない」「中国の力を借りないと世界を動かせなくなってる」なとどいって対中譲歩してしまう隠れ多極主義的な要素が加わる。結果的に米国は、中国にフリーハンドを与えて有利にしている。半面、日本は不利にされている。

 事態は、なにやら「満州事変」の再来のような感じだ。1931年の満州事変まで、日本は当時の国際社会でうまく台頭していたが、満州事変によって日本は欧米(英国中心の国際社会)から悪者にされて外され、国際連盟を脱退して孤立を深める方向に追いやられた。英国の衰退によって第一次大戦後の立て直しに失敗した国際社会は当時、もともと崩壊の方向にあったが、崩壊は日本やドイツのせいにされ、日独は国際社会(英米)の敵に仕立てられていった。

 今回、単独為替介入をした日本は、欧米から、米欧日が為替介入をしない建前を守っていた国際通貨体制の秩序を破ったとして批判されており、ドルが崩壊感を強める中で日本が円高を防ごうと単独行動を強めるほど、日本がG7の為替協調体制を壊したと批判される結果になる。もともとドル崩壊でG7は潰れる(G20に取って代わられる)運命にあるのだが、それが米欧の詭弁によって日本のせいにされる。しかも、米欧の日本非難は間接的に中国を利する。これらの点が満州事変的だ。

▼人民元の国際化に協力したくない日本

 中国による日本国債の購入について日本政府は、円高を誘発しようとする中国の敵対行為と見なす傾向が強いが、これも中国と東南アジア諸国の間で国債の持ち合いが始まりそうなことを見ると、敵対行為ではない面が感じられる。9月19日にFT紙が報じたところによると、中国とマレーシアは、両国にとって初めての試みとして、マレーシア政府が人民元建ての中国国債を買って外貨備蓄の一部として保有することを開始した。両国は、相互通貨の為替取引も始めている。(Malaysian boost for renminbi hopes, move seen as start of `domino effect')(国際通貨になる人民元)

 この動きは、人民元を国際備蓄通貨として新たな高みに押し上げ、アジア各国をはじめ中国と貿易関係がある世界の国々が、中国国債を買って人民元を外貨備蓄の一部としていく動きの皮切りとなるだろうという予測を、FTが載せている。中国はすでに一部の国々の中央銀行に対し、中国国内の社債市場で中国企業の人民元建て社債を売買することを許可している。人民元が国際通貨になっていく過程は、ある日突然ビッグバンのような爆発的な動きによって具現化するのではなく、マレーシアが中国国債を買ったことに象徴される、一見小さな動きの積み重ねによって、漸進的、実質的に変化していくだろうと、別のFTの記事は書いている。(Small steps to help reshape renminbi)

 こうした動きと、中国が今夏から、日本や韓国の国債を買い始めたことをつなげて考えると、興味深い事態が見えてくる。アジア各国が中国国債を買う動きと表裏一体をなすものとして、中国もアジア各国の国債を買い、それによって中国とアジア諸国の両方が、外貨備蓄に占めるドル建て資産の割合を減らしていき、きたるべきドル崩壊に備える構想が、中国を中心に動いていると考えられる。日本政府は「自由市場で中国国債を買えないのは不公平だ」と不満を公式に言うのではなく、マレーシアのように静かに非公開で中国と話し合って中国国債を買えば、話がスムーズだった。

 おそらく日本政府は、あえてそれをしなかったのだろう。対米従属を重視する以上、ドル離れに加担したくないはずだ。そして日本は、中国が日本国債を買ったことに批判を表明した。中国政府は、日本だけでなく韓国の国債も買い増しているが、韓国政府は中国を批判していない。日本政府は、中国が構築しつつある人民元中心のアジアの新通貨体制に関与したくない。その方針の具体化が、日本当局による円高ドル安防止の為替介入だと考えられるが、介入は米欧に批判され、日本はどっちの方向にも行けず、行き詰まり感が強まっている。(China's Demand for South Korean Bonds to Increase, Dongbu Securities Says)

▼中国と敵対するためロシアに接近?

 そもそも日本が円安ドル高にこだわり続けること自体、時代遅れの考え方であるとも思える。以前の記事で「ポストモダン」について考えたが、経済的に成熟している日本は、すでにポストモダンの状況にある。しかし、いまだに日本は工業製品の輸出によって繁栄する国家政策に偏重している。日本の大手製造業の多くは、部品調達や組み立てを国際化し、多くの種類の通貨の体制下で運営されており、円高による悪影響は減っている。(◆多極化とポストモダン)

 米国が失業増で消費力を落とす半面、中国は賃金上昇によって消費力が増している。米国でも日本でも、企業は中国市場への依存を強めている。米国が景気回復していなことが顕在化しつつあるこの時期に、日本が、政治(尖閣問題)と経済(中国との国債持ち合いの拒否)の両面で、中国との関係を拒否する態度を強めたことは、満州事変から第二次大戦にかけての失策を繰り返しそうな方向に、日本が進んでいるように見える。

 ただ最近、中国との関係悪化を逆手にとって、これまで進んでこなかった日本とロシアの関係を改善できるかもしれない事態にはなっている。「日本が中国と対峙するには、中国の潜在的ライバルであるロシアと組むのが効果的だ。ロシアの権力者であるプーチン首相の周辺は中国に対して懐疑心を持っているので、それを利用して、日本が北方領土問題の解決を二島返還で了承すれば、ロシア側は喜んで日本との関係を改善したがるはずだ」という論調が出ている。(Why Putin is good for Japan)

 実際のところは、プーチンは反中国的でなく、逆に中国がロシア極東を経済的に席巻することを容認する代わりに、中国がロシアのエネルギーに依存する体制を作り、中露関係の緊密化を図ろうとしている。シベリアから中国へのパイプラインの建設は、着々と進んでいる。(Putin says China no threat to Russia)

 最近、人民元とロシアのルーブルとの為替市場も整備され、中国を中心とするアジアの脱ドル化にロシアも参加している。つまり実際には、中露が敵対関係にあるというのは幻想なのだが、日本でこの幻想を振りまくことにより、日本の世論を「中露関係が悪いうちに、中国に対抗するために日露関係を良くしよう」と思わせる方向に動かし、日本の対米従属策の一部をなしていた北方領土問題を解決し、日露関係が良くなったあとで、最終的に日中関係も好転させ、日本を対米従属から引き剥がすという、多極主義的な策略があっても不思議ではない。(Yuan Trading Against Russian Ruble Said to Start Within Weeks in Shanghai)

 昨年来の日本の動きを見ると、日本人の多くが対米従属策に疑問を持っても、日本は対米従属から逃れられない状態になっていることが感じられる。その中で、何とか日本が対米従属を脱していくには、プーチンが反中国であるという間違った思考にあえてはまり込んで北方領土問題を解決するといった自己欺瞞が必要かもしれない。対米従属派によって鈴木宗男が塀の中に入れられ、対露関係を好転できる人材が消されてしまっているのではあるが。

++++++++++++

中共内の派閥争いとそのバックグラウンドについて。
http://www.mkmogura.com/blog/2009/10/14/463

客家中国史6より

「鄧小平の時代、ロスチャと客家の対立、それ以前のイルミナティ亜種コミンテルンと客家の対立、それは現在も継承している。
そして天安門事件のような民主化工作の裏のロックフェラーと客家の対立。
上海閥という物の台頭、そして胡温体制へ。
 
台湾という存在だけでなく、胡錦濤、温家宝は難しい舵取りをしている。
日本では民主党が、これまた難しい舵取りをしている。
 
この胡温体制の中核、共青団派(中国共産主義青年団)の実務TOP、副首相の李克強である。
彼は、小沢一郎の、書生として庭掃除や門番をしたことがあるそうです。
 
さてリークァンユー・小沢・共青団系のルートで、基軸通貨であるドル崩壊の大波から東アジアは守れるんでしょうかね?
そそ、アジア経済共同体・・・。日本がイニシアチブを握れるとは、到底思いませんが。」

今の騒ぎは、温家宝派が小沢を駆逐した日本の民主党に対して、ブラフをかけているのではないかと、私は見ています。
 

« 勇魚獲りの歌 | トップページ | 「われわれも悔しい」「安心して漁ができない」 »

海上保安・防衛政策・近隣諸国」カテゴリの記事

コメント

当初から言われていることですが、この件では声高に中共首脳が日本を批判し、大変失礼な恫喝の数々を行なっているが、中国国内の反日デモや海上抗議活動などに対してはむしろ取締りが厳しい。香港からの抗議船に対する対応も、これで中国首脳の過激発言がなければ、むしろ日本側の言い分を中共政府も認めているように思えるところでしょう。 中国国内での扱いは小さいのです。
(尖閣問題で熱い中国ネットメディアや愛国者をスルーする人々 http://www.asyura2.com/09/china02/msg/513.html )


温家宝氏というのは、改革派=社会主義政権内部の脱社会主義路線派だそうだが、今反日でワアワア言うてるのは主に華南地方の人々?『政府が甘いから日本がつけ上がっている、中国を舐めている、こんな弱腰な政府はダメだ』とどっかで聞いたようなことを言っているのは、いわゆる日本のネット右翼=反ミンスな自民党支持者みたいな感じです。


もとい、どうも中共政府首脳の過激なブラフは、国内の反・温+胡路線勢力(北京派閥?)へのパフォーマンスで、しかし実は反日のふりして反現体制派なグループを出し抜く勝負に出た感じがします。
それによって温派(上海派閥?)が、尖閣諸島をカードとして掌握しようとしているのでは。つまり、この問題は、温派が日本を挑発して尖閣諸島問題を「領土問題化」し、領土問題の交渉を通じて中国内部の政治的イニシャティブと東シナ海利権の掌握をいっぺんに図ろうとする謀略という見方です。
当然海保は、中国がいつも海保を挑発して『領土問題化」をたくらんでいることは承知で、今までは追尾しても拿捕には及ばなかったわけです。しかし今回そこまで踏み込んだということは、海保も噛んでの世紀の日中出来レースという可能性もありますね。日中の日のほうの仕掛けをしたのは誰か?・・・田中宇氏などは、はめられたのではないか?とおっしゃってます。ちょっと視点が違いますけどね。

温派はロス茶系なんですよね。D.ロックフェラー系のアーミテージや「みんなの党」の渡辺代表が「これは菅政権のアメリカへの忠誠度を試されている」という発言は、言ってる連中の立場はともかくも正しいのではないかと。
菅・前原のアメリカネオコン頼みの政権に対する強烈な揺さぶりでありブラフ。 私は菅政権は交渉相手にしない、小沢を出せ、というのが一方の本音ではないかとおもいます。対米追随政権は認めない、「アメリカネオコンのヒモ付きでない、まともな対中交渉相手」を出せと。

実際、ロス茶人脈である小沢を表舞台に出すための用意はまさしく粛々と進んでいるようです。自民党三役事、公明党人事、さらにこの連休に小笠原にまた魚釣りにいった小沢を公明党の山口代表などが訪ねたことなど。


しかし今の状態から小沢が首相になっても、ロス茶と中共が手を組んで実現される『拡大中華帝国』の一地方省への道が作られることでしかありません。中共がその中心に座っていることはリスク要因です。

小沢の政治的師匠は客家の総元締めのシンガポール首相・リークワンユーと言われますが、ロス茶・ロックフェラーに唯一対抗できる『客家』の華人ネットワークがロス茶と手を組めばいっぺんに中共政権はつぶれます。小沢がその狂言回しを演じるのでしょうか。アメリカネオコンに殺されそうですね。。
もしロス茶と客家が手を組んだら、対米追随から日本は脱却し、中国本土は民主化され、日露関係も改善されるでしょう。東アジアロス茶帝国の出現にはなるけど、北朝鮮も崩壊して資本主義・民主主義体制の統一市場が出現します。

今後数年間の日本の舵取りって、まさに沈む泥舟(ロックフェラーのアメリカ)をいかに捨てて、ロス茶と手を組んで中国の経済権益を確保しつつ、中共をいかに弱体化させるかがポイントですよね?
中共と華人は区別して、華人との付き合いは今まで以上に大事にしないといけないと思います。ロシアともうまくやれることが大事。
でも菅再選と同時にムネオ収監・・菅政権のアメリカネオコン追随は露骨過ぎます。あ、そう!そうきたか!って感じで中国がブラフかけてきてもおかしくなかったです。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1062
チャイナ・ウォッチャーの視点
中国で大論争
温家宝「政治改革発言」の真意
2010年09月22日(Wed) 城山英巳

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/760
チャイナ・ウォッチャーの視点
単なる親中派にあらず
小沢一郎「中国観」の本音
2010年02月03日(Wed) 城山英巳

きょう首脳会談 「南シナ海」焦点 米の関与嫌う中国
産経新聞 9月23日(木)7時57分配信

 ■当事国間の平和的解決を主張

 【北京=川越一】沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で起きた中国漁船衝突事件により日中関係が悪化する中、中国の温家宝首相は23日、訪問先のニューヨークでオバマ米大統領と会談する。米国は、尖閣諸島を「日米安全保障条約の適用対象」と位置づけているうえ、中国が「核心的利益」とみなす南シナ海への関与姿勢も強めている。日、米、東南アジア諸国による対中包囲網の形成を阻みたい温首相としては、中国国内の強硬世論をにらみつつ、微妙なかじ取りを迫られそうだ。

 温首相とオバマ大統領との会談では、過小評価されている人民元相場問題や、北朝鮮、イラン問題も協議される見通し。

 会談を前に、中国外務省の姜瑜報道官は21日の定例記者会見で、東シナ海の尖閣諸島と同様、南シナ海に浮かぶ諸島や周辺海域についても、中国が「争いのない主権」を有していると強調。当事国間の友好的な協議による平和的解決を主張した。つまり、当事国ではない米国は介入するな-というシグナルである。

 今年に入って南シナ海を台湾、チベット、新疆ウイグル自治区と並ぶ、自国の領土保全などにかかわる「核心的利益」と呼ぶようになった中国にとって、目障りなのは米国の存在だ。

 米国は、クリントン国務長官が7月、ベトナムで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の閣僚会議で、「南シナ海の航行の自由は米国の国家利益だ」と発言。航行権をたてに、南シナ海への関与姿勢を打ち出した。米国の本音は、同海域で軍事活動を活発化させ、海洋権益の獲得を推し進める中国への警戒を強めることにある。

 オバマ大統領が、温首相との会談の翌24日に主宰する米・ASEAN首脳会議では、南シナ海への米国の関与強化が共同声明に盛り込まれるかが焦点となる。オバマ大統領としては、ASEAN首脳と会議をすること自体、中国への牽制(けんせい)を狙ったものだ。

 これに対し、温家宝首相は23日のオバマ大統領との会談などを通じ、南、東シナ海の領有権問題における従来からの中国の主張を繰り返しつつ、米側に“不関与”を促すものとみられる。温首相がどのようなボールを投げ込むのか、反日で沸き立つ中国国内も注視しているだけに、引き続き“弱腰”の姿勢をみせるわけにはいかない、という事情もある。

中国、米国防長官の訪中要請 主席訪米へ関係強化図る

朝日新聞2010年9月23日20時35分


 【北京=古谷浩一、ニューヨーク=村山祐介】中国の華僑向け通信社、中国新聞社によると、国連総会への出席でニューヨーク訪問中の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は22日、米国による台湾への武器売却決定で中断している米中軍事交流の再開に向け、ゲーツ米国防長官の訪中を招請したことを明らかにした。

 中国は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日本への強硬姿勢を強める一方、対米関係では改善に一歩踏み込んだ形。温首相は23日にはオバマ米大統領と会談し、軍事交流再開の方向を確認する見通しだ。

 温首相は米企業家らとの会合で「我々はゲーツ長官が適切な時期に訪中するよう正式に招請した」と述べた。また、オバマ氏との会談は「相互信頼を増進し、協力を強化するものだ。来年の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の訪米の基礎を固めるためでもある」とし、来年初めとみられる胡主席訪米の準備を進めたい考えを示した。

 米国防総省の報道担当者は22日、シファー国防次官補代理が来週、訪中することを明らかにした。米中軍事交流の再開に向けた取り組みの一環で、長官訪中に向けた地ならしになるとみられる。

 23日の米中首脳会談では、米側が中国に人民元切り上げのペースを速めるよう強く求めるとみられるほか、南シナ海の領有権問題、北朝鮮の核問題などが協議される見通し。漁船衝突事件で悪化した日中関係について、対話による解決を促す可能性もある。


 この船員制度に引導を渡した人間の一人として。

 日本人船員は必要ないと思っている人は、多分いないでしょうが、国際船舶制度が日本籍船の維持・拡大や、日本人船員の確保・育成に役に立つ制度であると官・労・使が本当にそう思って真剣に取り組んでいません。この制度を入れるときに船主の側から雇用、採用、資金提供を求めないことを条件にして若年船員養成Pを始めています。つまりいくら新人を育成しても採用される可能性はゼロに近いと言えます。果ては大手外航船社の未経験船員育成コースで、一般大卒で船社に入社した社員ならば誰でも船員になれます。つまりそれまで文学系や芸術系を学んできた人間でも構わないのです。これを国交省は承認してしまっています(既存の船員教育を否定したも同然)。

 経営の側で言えば、船舶検査(国交省)、電波検査(総務省)、ネズミ駆除国際条約(厚労省)、LPG船等のタンク容量の検量(財務省)などなどをその都度対応しなくてはなりません。これがリベリアやパナマの船にしてロイドやABSの船級検査にすると24時間365日1本化して対応してくれます。船社としては日本籍船にするメリットが何もありません。日本の船社は財投では仕組船融資もドル建て融資も可能で相当の恩恵がありますが、船員には何もありません。官労使とも本当のところで意見を突き合わせずにきれいごと、いいとこどりで決めるから、僅かな寿命と効果しかもたらしません。

 

タンカーなどの商船の船員と、遠洋漁業の大型漁船の漁師でもある船員と、その他の漁船の船員と、それぞれに事情は違うとおもいますが、かつての海洋大国・日本が今や造船はしないし船員は育てないしで、四海を囲まれた国土を維持していることには、確かに危機感を覚えます。
もはや日米安保もあやしくなりつつあり、強い中国を相手に自前で国防せよ、いやならもっとカネを出せとアメリカにゆすられている有様で、まあどこをどう押しても、へいこらアタマを下げつつ、汚れ仕事をカネで他国に押し付けてきたツケがみんな回ってきた感じです。自立国家・国民とは何かというところから考え直さないといけないんでしょう。

海事についてはどうするのが最善なんでしょうね。今の東アジア情勢からすると、「自前度」を上げることが必要かと思いますが、もうちょっとロングスパンで見たら、かつての地中海のように、日本海―東・南シナ海沿岸都市国家連合という形ができたらいいと思いますが。海事については国家は実務に出てこないほうがいいように思います。

海洋政策は今 寺島紘士ブログhttp://blog.canpan.info/terashima/archive/380

自民党の「シャドウ・キャビネット」 [2010年09月23日(木)]
自民党が「シャドウ・キャビネット」(影の内閣)を内定という9月21日の報道に続いて、22日には「シャドウ・キャビネット」発足・初「閣議」と報道された。

民主党に政権が移った時から、二大政党制を目指して自民党も「影の内閣」を設置して国民に政策の選択肢を提示してほしいと考え、折にふれて言ってきた。若干遅きに失した観はあるが、今回の自民党の「シャドウ・キャビネット」発足を歓迎したい。

「シャドウ・キャビネット」を自民党のホームページで見ると、内閣総理大臣谷垣禎一、内閣官房長官石破茂、外務大臣小野寺五典、財務大臣林芳正、文部科学大臣下村博文、経済産業大臣西村康稔、国土交通大臣山本公一、環境大臣田中和穂、防衛大臣岩屋毅、行政改革・公務員制度改革担当大臣河野太郎・・・という顔ぶれである。

この中には、これまで海洋政策に熱心に取り組んできた方々が何人か入っている。影の官房長官の石破さんは海洋基本法制定に超党派で取り組んだ海洋基本法研究会の座長、影の外務大臣の小野寺さんは、海洋基本法制定時の自民党海洋基本法作成ワーキングチーム座長、影の経済産業大臣の西村さんは海洋基本法研究会の世話人としてそれぞれ海洋基本法の制定に熱心に取り組んでいただいた。
現在も海洋基本法のフォローアップに引き続き熱心に取り組んでいただいている。


さて、「シャドウ・キャビネット」を眺めてみて、2点気がついた。

ひとつは、農林水産省には影の大臣が二人いる。即ち、農林大臣宮腰光寛、水産大臣(水産庁長官?)野村哲郎と二人のお名前がある。水産関係の大臣ポストを新設している理由を知りたい、と思う。

もうひとつは、海洋政策担当大臣である。発表された「自由民主党シャドウ・キャビネット」の表で探してみたが海洋政策担当大臣が見当たらない。なお、現民主党内閣で馬渕国土交通大臣が海洋政策とともに担当している沖縄北方対策は小野寺外務大臣の担当となっている。

海洋政策を総合的に推進するために海洋基本法が制定されたのは2007年で、当時はまだ自民党政権時代だったから、海洋政策担当大臣の必要性は理解されていると思うのだが。まして、昨今は、東シナ海、海賊・テロ、資源、環境、北極海・・・と海洋の重要性がますますクローズアップされてきているときである。海洋政策担当大臣が必要なことは明らかではないか。

もし、まだ決まっていないのであれば早急に決めていただきたい。海洋政策担当大臣は、「海洋に関する施策の集中的かつ総合的な推進に関し内閣総理大臣を助けることを職務とする」(海洋基本法第33条)重要な大臣ポストである。(了)


********************

まさしく海洋政策は日本のライフラインに直結する重要事項。ぜひ進めてもらいたい。

中国人船長を処分保留で釈放 地検「日中関係を考慮」 尖閣衝突事件
産経新聞 9月24日(金)14時48分配信

 沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は24日、中国人船長を処分保留で釈放すると発表した。

 那覇地検は処分保留とした理由について「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と述べた。

 船長は7日午前10時55分ごろ、巡視船「みずき」が立ち入り検査のため停船を命じながら追跡してきた際、漁船のかじを左に大きく切ってみずきの右舷に船体を衝突させるなどして、海上保安官の職務執行を妨害した疑いで8日、逮捕された。

 那覇地検石垣支部が10日、船長の勾留を請求し、石垣簡裁が19日まで10日間の勾留を認めていた。


「われわれも悔しい」 苦情殺到で唇噛む海保職員 中国人船長釈放
産経新聞 9月24日(金)17時9分配信

 沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件で、中国人船長を那覇地検が釈放するとの発表を受け、海上保安庁の政策評価広報室にはマスコミ各社の記者が続々と詰めかけた。

 中川高史室長は「われわれが判断できることではないから…。判断したのは地検ですから」と話しながらも那覇地検の次席検事の会見のニュースを見ながらどこか口惜しげな表情を浮かべた。

 石垣海上保安部にもマスコミからの問い合わせが殺到した。ある職員は「事前には知らされていなかった。容疑者の身柄も証拠物も地検に送ってあるので、何もこちらでコメントできない」と話した。

 一方、海上保安庁の広報室には市民から苦情の電話が殺到、電話回線がふさがった。「明白な領海侵犯ではないのか」「漁船がわざとぶつかったのに釈放とは…」という問い合わせに、職員が法的な理由を説明していた。

 石垣海保にもニュースの直後から電話が入った。1件は「釈放に賛成だ。安心した」というものだったが、もう1件は「海保が命をかけて頑張ったのに検察は何をしているのか」という怒気を含んだものだったという。

 関東地方の海上保安署に勤務する40代の職員は「われわれは忠実に任務を遂行しただけ。釈放したのは地検なのだから文句はそちらに言ってほしい。われわれだって悔しい」と話していた。別の職員も「那覇地検だけで決められる話ではないだろう。納得できないな」と唇をかみしめていた。

★阿修羅♪ >

「アメリカに叩き漬された小沢一郎」〝私は2年後の小沢復活を望む〟 副島隆彦(評論家) 『週刊ポスト』 10/1日号
http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/734.html
平成22年9月20日(月)発売

代表選敗北は、今年2月2日にすでに決まっていた

代表選を3か月後に控えたこの6月、『小沢革命政権で日本を救え』(副島隆彦、佐藤優共著・日本文芸社刊)と題する本が出版され、異例のベストセラーとなっている。この本で著者の副島氏は、独自の情報とユニークな世界観から、小沢が「大きな敵」に敗北することになるだろうと非常に早くから予見していた。さて、あなたはこの副島氏の分析をどう読むか。


 アメリカは小沢政権の誕生を許さなかった。私は、『小沢革命政権で日本を救え』のあとがきで、こう記した。
(「こうなったら小沢一郎を前面に押し立てて、正面突破を図ろう」という作戦は、今は採るべきでない。それは敵の術中に嵌まる無謀な決戦主義である。そのような短慮は敵たちの思う壷であるから、避けるべきである〉
 私は、小沢革命断行を熱烈支持する一方で、今は出るべきではないと、主張し続けてきた。今回の結果を予見していたからである。

 小沢一郎は、菅直人と代表選を戦って敗れたのではない。小沢は、アメリカと官僚の連合に叩き潰されたのだ。
 日本は、アメリカという帝国(世界覇権国)に支配された属国である。私は『属国・日本論』で20年間、こう唱えてきた。この視点から見れば、自民党政権時代の権力者たちが、アメリカの意に添い国民の富を差し出すことを条件に権力の座を維持していたことが分かるはずだ。

 それに対して「少しずつ独立しよう」と立ち上がったのが、小沢一郎という政治家である。その姿は、小沢が 〝オヤジ〟と慕ってきた故・田中角栄を彷彿とさせる。角栄はアメリカの支配から部分的独立を果たそうと独自のエネルギー資源外交を展開して〝アメリカの手先〟連合の怒りを買い、検察に逮捕された。

 では、小沢一郎はどのように闘う人間か? その極めつけが、今年2月2日、国会内の幹事長室で行なわれた小沢とカート・キャンベル国務次官補、ジョン・ルース駐日大使との3者会談である。新聞報道ではアメリカ側の表敬訪問とされているが、真相は全く異なる。二人が小沢に会談を申し込んだ目的は、小沢一郎を屈服させることにあった。このとき、アメリカは小沢を検察に狙わせ、いつ逮捕になるか、分からない状態であった。だが地検特捜部は、アメリカの圧力で小沢不起訴を決めた。
 アメリカは、小沢に対して検察の捜査を「不起訴」にしてやったから、いうことを聞けと突き付ければ、小沢は転ぶと思った。その見返りに日本から莫大な金を引きだす。「米国債を20兆円分買い増ししろ」とか、「普天間基地を移転してほしかったら、あと5兆円出せ」、そんな交渉を仕掛けたのは容易に想像がつく。
しかし、小沢は、アメリカの要求を敢然と突っぱねた。

 この会談後、小沢は二人を従え、堂々と幹事長室から出てきた。もし、アメリカの条件を受け入れていたら、小沢の方が二人につき従ったはずだ。小沢は、支配者であるアメリカと真正面から条件交渉できる唯一の政治家である。
 小沢の政策は一貫している。アメリカにいわれるまま、米国債を買い続け、莫大な富を差し出すのは、もうやめよう。日本人の稼いだ富は、日本の国民に還元すべきだ。多くの政策を昨年8月のマニフェストで約束し、その実行を果たそうとしてきた。

 それを裏切ったのが管直人と仙谷由人である。今年1月30日、普通は首相が出席すべきダボス会議(世界経済フォーラム・賢人会議)に出席してはしゃいでいる仙谷(当時、国家戦略相)、4月22日、ワシントンのアーリントン墓地で神妙な顔つきで献花している菅(当時、財務相)の姿を見た時、私は、この二人はアメリカに「転んだな」と、ピンときた。自民党政権時代同様、アメリカと官僚連合のいうことを聞いて名前だけの地位を与えてもらえればいいと。卑屈な人間どもだ。


 2012年小沢復活

 そしてアメリカの小沢一郎潰しが始まった。5月19日、IMF(国際通貨基金)は、日本政府に対して消費税を引き上げろと、異例の声明を出した。同じく5月、USTR (米通商代表部)が、郵政改革法案、即ち郵政「再国有化」法(日本の金融を戸閉まりして迫り来る世界恐慌へ備える)が国会を通過するなら、WTO(世界貿易機関)への提訴も辞さないと声明。
 内政干渉といっていい脅しをアメリカが公言した。これに呼応して国内の反小沢勢力がいっせいに動き出した。霞が関のオール官僚たち、アメリカの支配を是とする新開やテレビ、そしてアメリカに寝返った菅と仙谷たち、である。6月2日、突然の鳩山首相と小沢幹事長辞任の真相は、アメリカが陰で糸を引いた「反小沢クーデター」だと私が初めて書いた。
 首相に就任した菅直人は「消費税を10%に引き上げる」といって、自傷行為でわざと参院選で敗北した。こうして国民民主革命は徹底的に破壊されることになった。ここまでする連中に、まっとうな代表選を期待するほうが間違っている。
 今後、国民の生活は、ますます酷いものになっていく。今年の暮れから衰亡(フオールダウン)するアメリカに抱きつき心中させられて、日本経済もどん底に陥るだろう。アメリカは、11月の中間選挙で大敗するバラク・オハマが「病気」を理由に辞任、ヒラリー・クリントンへの異例の政権交代が起こると私は予測(予言)してきた。これも当ててみせる。

 日本への搾取はいっそう強まり、来年には70円台どころか、60円台まで円高は進むだろう。ヒラリー新政権はその強い円で「紙くず」(アメリカ国債)を買えるだけ買えと命じるだろう。そうなればアメリカ隷属を旗頭にしてきた日本の富裕層だって無傷ではいられまい。やがて全てを失ってから、彼らは、ようやく気付くのだ。小沢が正しかった、と。

 そのときまで小沢は待ったほうがよかった。あと2年、次の代表選の行なわれる2012年こそ立ち上がるべき時だったのだ。私は2年後の小沢復活を望む。p-46
 

@海事問題

 官が「日本人船員はこれだけ必要」という指標を示して、船主は「税制優遇を受ける代わりに船員育成を罰則規定つきで確約」させ、労組は「産別要求を止めて各社ごとに弾力的な交渉に応じる」ぐらいでしょうか。少なくとも現行の国際船舶制度は船主が狙っているのが、支配外国船への日本人船機長2名体制の拡大であって、結果的には日本人船員をいかに少なくするかである以上、労組が国際船舶への移行を、新造船や買戻し船に限定したところで、支配外国船(FOC)を買戻しても、5名配乗が船機長2名に変わるのなら、日本人船員が減るだけです。労組は非居住組合員(外国人船員)の加入を直ちに取り止めるべきです(組合費の二重取り問題)。

http://blog.canpan.info/terashima/archive/382

海洋政策は今 寺島紘士ブログ

尖閣諸島問題を再び考える(2) [2010年09月25日(土)]
前回(2010年9月25日)のブログで、わが国は、この機会に中国の海洋に対する政策をもう一度きちんと把握しなおす必要があると述べ、その際のポイントとして4点挙げた。

今回は、その第1点目の中国「領海および接続水域法」に関連して、最近中国が海洋の島嶼について行なった新たな立法と尖閣諸島との関係について注意を喚起しておきたい。

本ブログの2010年7月6日等で紹介したように、中国は2009年12月に中華人民共和国海島保護法を制定し、2010年3月に施行している。
同法は、6章、58条からなり、「海島及びその周辺海域の生態系を保護し、海島の天然資源を合理的に開発、利用し、国の権益を保護し、経済と社会の持続可能な開発促すことを目的として」いる。(第1条)

その内容を見ると、「無人海島は、国に帰属し、国務院は国を代表して無人海島に対して所有権を行使する」(第4条)、「国は海島保護計画の制度を実施する。海島保護計画は、海島の保護、利用活動に従事する際の根拠となる。」(第8条)から始まって、海島の保護、開発・利用、管理について事細かに規定している。

さらに、「第4章特殊用途の海島の保護」では「国は、領海基点にある海島、国防を用途とする海島、海洋自然保護区内にある海島等、特殊な用途又は特別な価値のある海島について、特別保護を実施する。」(第36条)と定めている。(海島保護法については「海洋白書2010第3部参考にしたい資料データ」の日本語仮訳参照」)

ここでわが国として留意すべきは、この立法が尖閣諸島問題に影響を及ぼす可能性があることである。中国側は、今回の事件では一貫して1992年制定の中国「領海および接続水域法」で陸地領土として明記した尖閣諸島を自国領土として主張・行動しており、尖閣諸島がこの海島保護法の対象になることは明らかである。

わが国が100年以上にわたって国際法に則り尖閣諸島を平穏に管理してきた事実に一顧もせず一方的に「中国固有の領土」として主張し「報復措置」を執ってきた今回の中国の対応を見ると、中国が海島保護法に基づき、それを施行するために具体的な行動に出てくることは十分想定される。わが国としてもこれに備えて対策を考えておく必要があると考える。(続)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1309848/36874119

この記事へのトラックバック一覧です: 番外4・尖閣諸島を失えば日本の貿易は壊滅状態に:

» 海上(事)職の就職活動 [海を往く者]
 あんまり参考にならないかも知れないけどね。 [続きを読む]

« 勇魚獲りの歌 | トップページ | 「われわれも悔しい」「安心して漁ができない」 »